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森羅万象。

8月30日（水）

見知らぬ街で、予期した結果が待っていた。

「禍と福とは門を同じうし、利と害とは鄰をなす」　淮南子

8月29日（火）

すぐそばに、「危険」という名の黒い影がいたのを知っていた。
しかし、自分の隣に来るなどとは考えもしなかった。
黒い影はニヤリと笑い、私に触れた。

8月28日（月）

風邪と睡眠不足。
体は重く、熱もあった。
午後六時の帰り道。
行き交う人々は、疲れた顔をしていた。
私は、涼しい表情を浮かべて歩いた・・・

8月27日（日）

夜、『Anna and the King』と『Shakespeare in Love』を観た。

8月26日（土）

Bunkamuraにて「エドワード・ホッパー展」を鑑賞。
光と影の強いコントラストは、画面を鮮やかにしていた。

始発まで眠ろうと、コマ劇前の広場で横になった。
近くで、青年が哀しい物語を歌っていた。
吹き抜ける風は、もう秋の温度だった・・・

8月25日（金）

鋼の身体。
不屈の精神力。
彼がトレーニングで鍛えたのは、肉体ではない。
眼に見えない「魂」だった。
鉄の人は、魂を残して、この世を去った・・・

8月24日（木）

小さな穴のあいた器。
こぼれてゆく、時の滴り。
わずかでも注ぎ続けたならば、枯れることはない。

8月23日（水）

遠くから送られてきた声に、私は感謝した。
今日は、ゆっくり眠ろう・・・

8月22日（火）

熱に侵された思考。
かすかに見えた光。
壊れたキーボード。

8月21日（月）

負の記憶。
落とされた影。

8月19日（土）

ある人とすれ違った。
大きな荷物を持っていたその人は、私が怠惰に過ごしているときも、己を鍛え、より高みへ上ろうとしているのだろう。
私は逃げるように、後ろを通り過ぎた・・・

8月18日（金）

古本屋は不思議な場所だ。
行くたびに、私の気を引く本が、ひっそりと置かれている。
ジェームズ・ティソとエゴン・シーレの図録を買った。

8月17日（木）

祭りへ行った。
子供の頃のように楽しむことは、もう出来ないのだろうか。
私の育った街。
少しずつ変わってゆく街並みを、眺めながら歩いた。

8月16日（水）

過ぎてしまった時間。
取り戻すための代償に、今日を失った。

8月15日（火）

予期せぬ言葉で、精神が大きく揺らいだ。
私の中の土台をもっと、強く築かなければならない。
そして、私に関わるものを支えよう・・・

8月14日（月）

視界がひらけ、湿原が広がった。
尾瀬沼から吹いてくる冷たい風。
きらめく水面。
「雅」な生き方が、雲の向こうに見えた気がした。

8月1日（火）

朝の光がカーテンを透過してくる頃、不可解な夢から醒めた。
突然の高熱は何だったのだろう。
汗に濡れたシャツを着替えるため、私はゆっくり起き上がった・・・

過去の日々 > 2001年8月