「他の人たちによって据えられた土台を基にして築き続ける代わりに、私はかれらのような強靱な仕事は自分に望めなくとも、私自身の新しい土台を築きたいし、築かねばならないのです。それは面倒で骨の折れる、そのうえ下の方を這いつくばう仕事です。私は上の高い方で暮らしたいと思っているのですが。というのも、それこそ私のすべての思いが渇望しているものなのですから。けれども私はいつも私の道を、たとえわずかでも上へ向かって進める努力をしていくことで、自由な広い視界のいくらかでも得られるようになるのでしょうか」

1904年11月15日　エトムント・フッサールの手紙より