2002年5月

Ça commence

5月29日（水）

ビルの３Ｆにある美術館。
コロー、クールベ、ブーグロー、キスリング・・・
満たされた空間に、すこし困惑した。

5月28日（火）

散歩道、藍色に染まったアジサイが咲いていた。
『コンポジションⅦ』の200×300cm、夜に溶けるFaureのレクイエム。

5月26日（日）

夕立とともに、かえるが鳴き出した。

5月25日（土）

紅霰を彫った『アザレア』。
「1912-2002」と記されているのを見て、彼が逝ったのを知った・・・

北村四海『イヴ』、徳岡神泉『菖蒲』。

5月22日（水）

カクテルと家族の風景。

5月21日（火）

厚紙に描かれた『La Porte Saint Martin』。
ユトリロ、白の時代・・・

5月19日（日）

パンテオンで眠りたい、そう思った。

5月16日（木）

遠近法に辿り着いた日・・・

5月13日（月）

それが宝石かガラスかは、本質的な問題ではない。

5月12日（日）

濃く甘い空気に、はっと立ち止まった。
そこには森があった。
樹々が夜風に揺れていた。

5月11日（土）

新宿、恵比寿、蒲田、横浜、町田を巡り歩いた。
電車を待ちながら、過ぎゆく空虚な一日に茫然とした・・・

5月10日（金）

囲炉裏のある部屋。

5月9日（木）

無伴奏チェロ組曲、第１番あるいは第４番のプレリュード。

5月8日（水）

四時を過ぎると、館内の人通りは少なくなった。
革張りのイスに座り、正面の『ヴィラ・デステの池』を眺めていた。
藤島武二が留学時代に描いた絵は、いいと思った。

5月7日（火）

コードを繋がれたロボットのような・・・

5月3日（金）

大きな箱で届いた、小さな荷物。
走るのが心地よかった夜。

5月2日（木）

ガラスのコップに注いだ液体を、透過する光・・・

5月1日（水）

散歩する老夫婦。
婦人は英語で話し、夫は日本語で答える。
互いの言葉はあまり通じなくても、心は伝わると彼らは語った。

私は物事を、言葉で補い過ぎているのかもしれない。